本の要約・考察第36回 ~『予想どおりに不合理』~【毎週日曜更新】
スポンサードリンク
おはようございます。Shotaです。
今回は日曜日なので、本の要約・考察記事を書いていきます。今回取り上げる書籍は『予想どおりに不合理』です。
はじめに
本記事を読んでいるあなたは、以下のような経験をしたことがないでしょうか?
- ダイエットを決意しても、デザートが乗っている皿を目にするとついその皿をとって食べてしまう
- 「毎日ブログ更新する!」と目標を立てても、たったの3日で終わってしまう
- 学校の課題や職場の書類に取り掛かろうとしているのに、いつのまにかスマホをいじっている
本書では、日常生活で起こりうる現象や出来事だけではなく、それに対する疑問を解決してくれる画期的な書籍です。それだけではありません。私たち人間の行動の原因となるものを多種多様な実験や研究成果を通して紹介してあります。
上記に記されている失敗の原因を突き止めることで、それに対する対処法を検討できるようになります。本書では、私たちが「ついついやってしまう行動」の対処法が記されています。
そこで、本記事では私たちの日常生活に大きく直結している「先延ばし」について詳細に解説していきます。
それでは早速、本題に入りましょう。
先延ばしの魔力
私たち人間にとって、「物事を先延ばしにする」ことは珍しくないと思います。
今しなければいけないことを終わらせるのはわかっているけど、どうしても手につかなかったり、「今日はもういいや...」と思ったりすることを経験したことはないでしょうか?
😟「とりあえず今日はゲームして、学校の宿題は明日やろう」
😥「自分で決めたことがなかなか続かない.,...ダイエットも筋トレも規則正しい生活もできないよ...」
このように思ったことがある人も少なくないと思います。このように、今やらなければいけないことよりも、目先の満足を優先させてしまうことを先延ばしと呼びます。
興味深い実験
本書では、大学教授である著者が「先延ばし」についてこのような実験を行っています。実験の内容は以下の通りです。
【実験内容】
- 学生は自分の課題が配布されてから12週間以内に、課題を3回提出してもらう。3回提出してもらった課題の出来で学生の成績が決まる。
- 学生は今週中にレポートの締切をいつにするか決意表明してもらう。いったん決めた締切は変更できない。
- レポートの提出は12週間以内ならいつでも提出してもかまわない。
- 提出が遅れた課題は、1日遅れるごとに提出した学生の成績が1%下がる。
- 自分で設定した締切よりも早めに提出したとき、その学生がもらえるボーナスはない。
さて、本記事を読んでいるあなたならどう考えますか?被験者である学生ならどんな締切を設定するのでしょうか?
この実験はとある3つのクラスで行われていました。
【実験内容】で書かれている条件で行われているクラスをAクラスとします。
Bクラスでは、条件は【実験内容】とほとんど同じですが、与えられた12週間の間は締切がありません。
Cクラスも同様に、条件は【実験内容】と同じですが、それぞれ第4週, 第8週, 第12週に課題を提出するように指示されました。(締切がデフォルトで設定されている)
この3つのクラスの中で、課題の成績が一番良かったクラスはどのクラスでしょうか...?
実験の結果
上記のA, B, Cの3つのクラスの中で、最終締め切り以外何も締め切りを設定しなかったBクラスの学生の成績が一番悪かったです。そして、一番成績の良かったクラスはCクラスでした。
この実験からわかることは以下の通りです。
- 学生は先延ばしすること
- 自由を厳しく制限すること(柔軟に物事を決めなくさせること)は、先延ばしの対処に一番効果があること
実験で得られたこと
実験で得られた発見は、ほとんどの学生が自分の先延ばしの問題を自覚していて、それを改善する機会が与えられていればそれに対処する行動を起こし、それなりに成績が上がることを暗示しています。しかし、学生が自分で締め切りを作れる状況では、デフォルトで設定された締切よりも成績が悪かったのはどうしてでしょうか?
ここからわかることは、すべての人が自分の先延ばしの傾向を理解しているわけではないことがわかります。また、先延ばしの傾向を自覚している人でも、問題を完全に理解しているわけではないからです。言ってしまえば、私たち人間は自分に締め切りを課すことがあるけど、それが最高の成果につながるとは限らないのです。
先延ばしへの対処法
私たち人間は日常生活の中で頻繁に「先延ばし」をやってしまいますが、それへの対処法はないでしょうか?
最も簡単な結論は、自分ではない誰かに自分を管理させることです。先程の実験でも書かれていましたが、最も成績が良かったCクラスの学生は締切が設定されていました。
しかし、いくら効果てきめんだと言われても、
😥「私は人から指図されるのは嫌い....」
このように考えている人も少なくないでしょう。その場合は、「環境や仕組みの力」を利用しましょう。
例えば、給料から貯金できない場合は会社の自動積立制度を使ったり、一人で規則正しい運動を継続できないなら、通学や通勤を徒歩に切り替えたりすることが挙げられます。
まとめ
今回の記事では、『予想どおりに不合理』の書籍の要約をしました。
今回の記事はこれで終了です。
【参考図書】