【毎週日曜更新】本の要約・考察第18回~『ニュータイプの時代』~
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おはようございます、Shotaです。
今日は日曜日なので、本の要約・考察記事を書いていきます。
今日は独立研究者である山口周先生が書かれた『ニュータイプの時代』を解説していきます。
「正解を出す力に、もはや価値はない」――本書の著者が発するのは、従来エリートとしてみなされてきた人物像が、急速に価値を失いつつあるというメッセージです。しかし、ものやサービスが過剰に供給される現代では、人々が不満や不便を感じる場面は減る一方です。それに伴って、問題解決のニーズも減少しています。
そのような時代に必要とされる「ニュータイプ」の人材とは、どのような思考・行動スタイルを持つのでしょうか?
本書はその疑問に明快に答えてくれます。
今日の記事では私が非常に重要だと感じたことを3つのポイントに絞って解説します。
【目次】
未来は予測せずに構想する
問題が希少化する世界においては、「未来を構想する能力」が大きな力を持つことになります。なぜなら、問題は「あるべき姿」と「現在」との大きなギャップであり、「あるべき姿」を思い描くには必ず「未来を構想する能力」が必要になるからです。
「未来を構想する」というのは、わかりやすく言えば「未来がどうなるのか?」ではなく「未来をどうしたいか?」を考えることです。今私たちが暮らしている世界は、偶然の積み重ねでこのように出来上がっているわけではないと本書では強調されています。どこかで誰かが行った意思決定の集積によって今の世界が描かれています。それと同じように、未来の世界の景色は、今この瞬間から未来までの間に行われる人々の営みによって決定されます。
このことを踏まえると、本当に考えなければならないのは「未来をどうしたいのか?」という問題になります。
過去の未来予測の多くは、未来予測がまさに必要だった「決定的な局面」でこそ、ことごとく外れてきました。これは予測の上手い下手の問題ではなく、予測という行為そのものが本質的に持っている原理的な難しさが原因です。
しかし、ニュータイプは未来を予想するのではなく「構想」します。その構想した未来の実現に向けて周囲を引きずるように働きかけます。
「直感」が意思決定の質を上げる
本書では、企業の意思決定があまりにも論理に偏りすぎるとパフォーマンスが低下することを強調しています。理由は大きく3つあります。
- 人と同じような正解を導く結果になるので、差別化できない
- 意思決定に時間がかかり、かつ論理的なアプローチに限界がある
- 論理では意味を作れない
現在の世界では「役に立つ」よりも「意味がある」ことの方に高い経済的価値が認められています。ゼロからイチを生み出す「意味の創造」は、論理でなんとか解決できる問題ではありません。
近年の研究では、高度に複雑な問題について過度に論理的な解を導出しようとすると、かえって解答の質が悪くなることが明らかになっています。
そのため、このような状況では論理よりも直感に従ったほうがかえって意思決定の質を向上させていくのです。
常識を相対化して良質な問いを生む
先程述べたニュータイプに必要な「構想力」を高めるためにはリベラルアーツを学ぶことが大事であると本書では主張されています。
ここでリベラルアーツの意味を確認しておきましょう。
リベラルアーツとは元来、人間を良い意味で束縛から解放するための知識や、生きるための力を身につけるための手法を指します。
(引用:桜美林大学Webサイト)
リベラルアーツを、社会人として身につけるべき教養という薄っぺらいニュアンスで解釈している人もいるかもしれません。本書では、目の前の世界において常識として通用して誰もが疑問を感じることなく信じ切っている前提や枠組みを、一度引いた立場で相対化するのがリベラルアーツの真髄であると強調されています。
本書ではリベラルアーツを学ぶことで、自分の中にある時間軸・空間軸で目の前の常識を相対化できるリテラシーを持つことができると強調されています。この「常識への違和感」が、誰も気づいていない新しい問題の提起へとつながっていきます。
まとめ
今日は山口周先生が書かれた『ニュータイプの時代』をまとめました。
今日の記事で取り上げた内容はこの3つです。
- 未来は予測せずに構想する
- 「直感」が意思決定の質を上げる
- 常識を相対化して良質な問いを生む
私たちが今、時代の転換期にあるのだとしたら、私たちの「人間の見方」もまた、静かにアップデートされていくでしょう。
今日の記事を参考に、「ニュータイプ」について考えて20世紀的な価値観や労働観に縛られない、しなやかで自由な新しい人生の在り方を実践していければ幸いです。
今日の記事はこれで以上です。
【参考サイト】