本の要約・考察第32回 ~『2040年の未来予測』~【毎週日曜更新】
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おはようございます。Shotaです。
今日は日曜日なので、本の要約・考察記事を書いていきます。今回要約する本は成毛眞さんが書かれたベストセラー『2040年の未来予測』です。
本書では、これから日本社会に起こりうる内容を可能性とリスクの2つに分類して紹介してあります。科学技術の進歩などの可能性(人工知能、ゲノム編集...)も列挙されていますが、それらのことはいったん置いといて、今回は「これから起こりうる日本社会のリスク」にフォーカスして解説していきます。
本書はこれから起こりうる日本社会の危機に対し、それに対する具体的なアクションプランを提示しています。これからは、国ではなく個人で世の中の流れに対処する力が必要とされていきます。本書で描かれる「残念な未来」から抜け出せるように、本書ではそのことが強調されています。
それではさっそく本題に入りましょう。
経済の未来
まず最初に、日本社会における税金の未来について説明していきます。
2040年に果たして、私たちは年金をいくらぐらい貰えるのでしょうか?税金はどのくらい払うのか、医療費はどうなるのでしょうか?本章では、現状をきちんと認識した上で、これから私達ができるアクションプランを検討していきます。
結論から申し上げると、日本では経済成長がほとんど見込めません。GDPの成長率も2030年以降はマイナス成長やほぼゼロという予測すらあります。それだけではありません。日本は他国にくらべて借金が多い国でもあります。言い換えれば、私たち国民から徴収している税金等の収入だけでは国の予算を組めないのです。
これからの日本は食べるものには困りませんが、世界を見渡した時に相対的にどんどん貧しくなっていきます。日本は世界規模で見ると、「安い国」になっているのです。
どうしてこのような状況になっているのでしょうか?一番の理由は、少子高齢化です。もっとわかりやすく言うと、私のような現役世代(若者)よりも高齢者のほうが割合的に多くなっている現象が起きています。65歳以上を支える現役世代は1950年には12.1人でしたが、90年後の2040年では1.5人になります。
このような状況の中で、国の収入を増やす上で考えられる手段は消費増税です。消費税は2019年10月には8%から10%に引き上げられました。国際機関の指摘も厳しく、OECD(経済協力開発機構)は最大26%に、IMFは段階的に15%にまで引き上げることを提唱しています。
消費増税ができなければ、社会保険料を引き上げるしかありません。そもそも、社会保険料はすでに賃金を上回るペースで上昇しています。10年前に比べて社会保険料の負担率は一人あたり26%増加していますが、賃金はほんの3%しか伸びていません。これは言ってしまえば、社会保険料が会社員の給料を占める割合が年々増加していることを意味します。
このような状況では勤労意欲を失う人も少なくありません。日本は先進国の中でただでさえ生産性が低いのに、それがさらに下がる可能性があります。負の循環に陥れば経済成長は落ち込み、さらに国の財政は厳しくなります。
経済の未来への対処法
本章では、前章で言及した税金の未来を踏まえて、これから私たちが打てる対処法を検討していきます。それは主に以下の2つです。
- 民間の保険には入らない
- インデックス投資で資金形成
それぞれ順番に解説していきます。
民間の保険に入らない
まず、生命保険や医療保険は無駄な出費です。なぜなら、日本には国民健康保険や組合健保などの公的保険制度が大変充実しているからです。様々な病気や事故が発生した後でも、日本で整備されている公的な保険で十分対応できます。このような事実があるにもかかわらず、これを知らずに民間の保険に入っている人は意外と多いです。
日本は公的な保険制度が十分に整備されていますので、民間の保険でカバーする必要はないのです。
インデックス投資で資金形成
では、どのようにして税金の未来に対処すればいいのでしょうか?本書ではそれに対処するためには、インデックス投資しかないと強調してあります。しかも、投資をするならアメリカ経済に投資しろとまで書かれてあります。アメリカは先進国の中で、人口が増え続け経済成長している唯一の国だからです。
年率のリターンを3%で月4万円ずつ積み立てると、30年で2100万円を超えられます。同じ期間、銀行口座への預貯金に振り向けても1500万円にはなりません。預けっぱなしでもこれだけの差がでるのです。それだけではなく、日本ではつみたてNISAやiDeCoのような公的に承認されている投資制度もあります。(しかも非課税)
このように考えると、もう投資をしない理由はありません。投資に関してはこちらの両学長のYouTubeを確認ください。
まとめと補足:これからは国への期待は程々にして、個別で対策を取っていくしかない
今日の記事では、元日本Microsoftの代表である成毛眞さんが書かれた衝撃作である『2040年の未来予測』を要約しました。全部を解説するのは難しいので、今回は将来の日本社会に直結しそうである問題を中心に取り上げました。
最後に個人的な補足を入れて記事を締めくくりたいと思います。それは、「これからは、国への期待は程々にして、個別で対策を取っていくしかない」ことです。今、本書でも取り上げられているように、日本では将来様々な危機が訪れています。その中で私たちがするべきことは、政府に期待することではなく個人で対策を打つことしかありません。
本書で記述されているこれから起こりうる状況をしっかりと受け止めて行動するか、あるいはそれを無視して政府に期待し続ける人とでは結構な差が開きます。私も本書を読んで、大学卒業後にやるべきことの明確なビジョンが浮かびました。無駄な保険や貯金をやめて、iDeCoやつみたてNISAを中心に資金形成をしていこうと思いました。
残念な未来から自分ひとりだけでも抜け出せるように、本書に書かれていることをしっかりと吸収して行動していきます。
今回の記事はこれで終了です。
【参考図書】