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本の要約・考察第31回~『天才を殺す凡人』~【毎週日曜更新】


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天才を殺す凡人

おはようございます、Shotaです。

今日は日曜日なので、本の要約・考察記事を書いていきます。今日取り上げる書籍は、『天才を殺す凡人』です。

本書におけるテーマは「才能」です。「才能」は本当に曖昧な言葉で、具体的にどのようなことを意味しているのかがわからない人はたくさんいると思います。

冷静に考えてみると、「自分の才能」を理解することは非常に難しいことです。「あなたの才能はなんですか?」と質問されて、その場でストレートに答えられる人は相当自分のことを知り尽くしています。ほとんどの人は応えるのが難しいのではないでしょうか?

テーマは重いですが、非常に読みやすい本です。本書では「天才」「秀才」「凡人」を明確に定義した上で、それぞれの関係が描写されている点が非常に興味深いです。

本書はあらゆる立場の人にとって学びのある一冊になっています。

それではさっそく本題に入りましょう。



「才能」の正体

本書によると、人を「天才」「秀才」「凡人」の3種類に分類しています。それぞれの定義は以下の通りです。

天才:独創的な考えや着眼点を持ち、人々が思いつかないプロセスで物事を進められる人。創造性が強い。

秀才:論理的に物事を考え、数字やルールを大切にして堅実に物事を進められる人。再現性が強い。何でもかんでもやってのける天才に嫉妬や執着を抱く。

凡人:感情やその場の空気を敏感に読み、相手の反応を予測しながら行動できる人。共感性が強い。秀才のことを天才と誤解し、天才を「理解できない人」として排除する。


本書ではこれらの人間の特徴を踏まえて、この3つに分類しています。そのことを踏まえて、「凡人が天才を殺す」と強調しているのです。


凡人が天才を殺すわけ

どうして凡人が天才を殺せるのでしょうか?その理由は「コミュニケーションの断絶」にあります。これはいったいどういうことでしょうか?

「コミュニケーションの断絶」は軸と評価の2つで発生します。

:その人が「価値」を判断する上で前提となる考え。絶対的。

評価:軸に基づいて良し悪しを評価すること。相対的。


天才は「世界を良くするという意味で、創造的か」で評価します。一方で、凡人は「その人や考えに、共感できるのか」で評価します。つまり、天才と凡人は「軸」が根本的に異なるのです。

問題はそれだけではありません。人間の数は凡人が圧倒的に多く、天才が少ないです。両者の間には数百倍もの差があります。だから、凡人がその気になればいつでも天才を殺せるのです。より具体的に言えば、革新的なサービス(iMacなどの)が一番最初に生まれたときには常に「凡人によって殺されそう」になります。

簡単に天才が死ぬイメージがわかないと思います。しかし、凡人は圧倒的に数が多いので「多数決」を武器に天才を殺せます。


凡人の戦い方

これまで凡人は天才を殺せる、という話をしてきました。では、凡人が天才を殺さずに、天才の才能を活かすためにできることは何でしょうか?

そのために凡人ができることは、次の2つです。

  • 天才を発見する

  • 天才の才能を自分の言葉で伝える


それぞれ順番に解説していきます。


①天才を発見する

本書では、凡人の中にはあまりにも共感性が高くて、誰が天才かを判別できる人がいることが書かれています。そのような人たちは「誰が天才か」を見極めて、天才の考え方を理解できるのです。

天才を見極めるためにはどうすればいいのでしょうか?それは、「会議などで周りからいつも反対されている人を見つける」ことです。そのような人は、凡人が見えていない世界やビジョンが見えている可能性が高いです。まずはそのような人を見つけて、その人の話を聞いてみましょう。


②天才の才能を自分の言葉で伝える

天才から話を聞いた凡人が次に取るべき行動は、「天才の才能を自分の言葉で伝える」ことです。本書では、凡人が持っている最強の武器は「自分の言葉」であることが強調されています。

天才から聞いた話を自分で他の人から伝える時に、KPIやガバナンスのような堅苦しいビジネス用語を使わずに小学生でも理解できる言葉でしっかり伝えるようにしましょう。そうすれば、他の人が天才の良さや才能を理解することに繋がり、天才の才能を生かせる環境を作ることができるのです。


まとめ:人生は「配られた手札」で勝負する。自分が持っている才能を最大限発揮するために行動しよう。

今日の記事は北野唯我さんが書かれたベストセラー『天才を殺す凡人』を要約・解説しました。

本書の要点をまとめると以下のようになります。

  • 人間は「天才」「秀才」「凡人」の3つに分類できます。天才は独創性が強く、秀才は再現性が強く、凡人は共感性が強いです。

  • 凡人は天才を「理解できない人」として排除しがち。しかも、天才よりも圧倒的に数が多いので多数決の原理が働きやすく、下手をすれば天才を殺すことがある。

  • 間違っても天才を殺さないように私たちができることは、「天才を発見すること」と「天才の言葉を自分の言葉で伝えること」の2つである。


最後に個人的な補足を入れます。それは、人生は「配られた手札」で勝負し、その手札を最大限に活かすために行動することが大事という話です。

私たちは生まれた時に自分の才能を決めることができません。しかし、「天才に生まれたかったな」と考えるのは時間の無駄です。重要なのは、自分に配られた手札を知ることと、その手札の使い方を知ることです。

多くの人はこのようにないものねだりして、自分が持っている本当の才能に気付けずに人生を終えてしまいます。確かに、才能は本当に残酷なものです。強いカードをもらった人もいるし、弱いカードを貰った人もいます。だから、いつまでたっても自分のカードで勝負しないので言い訳ができます。私には才能がある、私は天才かもしれない...というように。そこで、自分で勇気を出して配られたカードで勝負をしても負けるなんてたくさんあります。しかし、もっと大事なことがあります。それは、自分に配られたカードを世の中に出し続けることです。それを継続していけば、自分史上最高の自分に出会えるのです。

才能は絶対に磨かれていきます。そして、まだ見ない自分に出会えるこれが才能を使うことの最大のメリットなのです。ないものを嘆くよりも、自分にあるものを誇りましょう。

長くなりましたが、今回の記事はこれで終了です。

【参考図書】