【毎週日曜更新】本の要約・考察第29回~『SINGLETASK 一点集中術』~
スポンサードリンク
おはようございます。Shotaです。
今日は日曜日なので、本の要約・考察記事を書いていきます。
今日の記事で取り上げる書籍は『SINGLETASK 一点集中術』です。
シングルタスクの原則
シングルタスクは文字通り、「一つの作業だけに集中して、生産性を上げること」です。一度に一つのことに集中すれば、もっと成果を挙げられることができますし、睡眠も十分に取れるようになります。
例えば、「お金」などを数えている最中に、うっかり他のことを考えてしまい、最初から数え直す羽目になったという経験は誰でもあるでしょう。途中で数がわからなくなった原因は途中で何らかの邪魔が入ったことにあります。その要因は次の2つです。
- あなたの頭の中
- 外部環境
ちょっと他の考え事をしたり、あるいは外からの刺激に負けたりすると作業の能率が落ちてしまいます。
一点集中――いわゆるシングルタスクを継続できれば集中力を保ち、周囲の環境を適切に管理できます。
マルチタスクを封印する―「同時進行」の誘惑から逃れる
「同時進行」をやめるだけで成果が上がる
私たちは必死になって一度に複数のタスクをこなそうとしています。その結果、注意散漫な生活に歯止めが効かなくなっているのです。集中力がかけ、ストレスが溜まり、目の前の作業とまったく関係のないことでもやもやします。マルチタスクをこなそうとする試みと能率の悪さには、相関関係があります。これが厳然たる事実です。
本来、「一度に複数の作業をしようとする」ことそのものが「気が散っている」ことを意味します。
タスクからタスクにスイッチしているだけ
私たちの脳は注意を要するタスクに対処しながら、同時に流れ込んでくる情報を処理できません。これは、スタンフォード大学の研究でも証明されています。タスクからタスクへ素早く切り替えるという行動を継続しているとマルチタスクをしているような気分になります。ところが、脳は一度に2つ以上のことに集中できません。そのため、注意をあちこちに向けていると作業効率が落ちてしまうのです。
一般に「マルチタスク」と考えられている行為は「タスク・スイッチング」に過ぎません。タスクからタスクへと注意を向ける先を変えているだけなのです。
人は「目新しいもの」に注意を向けてしまう
マルチタスクをこなそうとすると集中力が下がってしまいます。それが分かっていながら、なぜ私たちはマルチタスクをするはめに陥ってしまうのでしょうか?
第一の理由は、私たちが四六時中おびただしい量の「邪魔者」に取り囲まれているということです。
マルチタスクが間違っていることは承知の上で誘惑に負けてしまうのは、私たちが目新しさを求めているからです。外部からの刺激が現状に変化を起こすと、そのような変化がどう認識されようと、アドレナリンが血流を駆け巡ります。そうなれば、人は目の前のタスクより、新しいタスクの方に注意を向けたくなってしまうのです。
そのためには、まずは注意散漫となる原因(例えば、スマホや漫画)を作業中の環境から取り除きましょう。この習慣を身につければ、私たちは本来の目標を達成できます。ちなみに管理人は普段スマホを触ることはありませんが、コーディングやブログの執筆時にはモニターを付けて一つの作業に集中できるようにしています。
賢者の時間術「タイムシフト」
自分を疲弊させることで「安心」している
私たちが生きている社会では、「多忙」という伝染病が蔓延しています。「多忙」とは言っても、それ相応の見返りが得られるとは限りません。忙しく過ごしている人が、能率よく働いているとは限らないからです。あくせく働いているのに、それに見合うだけの具体的な成果を挙げられない人は多いです。
そもそも、一定の時間内でそれほど多くの作業をこなせるはずがないのに、ついあれこれ手を出してしまっているのです。その結果、常に注意散漫な状態で膨大な要求に答えられずに不満を抱えて生活しているのです。
そして、おかしなことに人は自分を疲弊させ、すり減らすことで「自分は重要な人物だ」という認識を持とうとしているのです。
「バイタル・フュー」を意識する
「バイタル・フュー」とは「重要なものはごくわずか」という考え方です。
これを仕事の世界に応用すると、質の高い仕事をするカギは「どうでもいい多数のこと」と「ごくわずかの重要なもの」を区別することにあります。そのためには、今やっている自分のタスクを丁寧に見直し、最重要のタスクととりあえず後回しにできるものを区別するといいでしょう。最重要のタスクをすべて終えたら。後回しにしたタスクを再度見直す。そして、着手するべきタスクなのか、あるいはそもそも不要なタスクなのかを見極めるのです。
本書で取り上げられている時間管理術―「タイムシフト」
目の前の作業に没頭したいのなら、定期的に休憩を取りましょう。シングルタスクは、最優先の作業から少し離れる時間を予定に組み込むことで大きな効果を発揮します。言い換えれば、集中する時間とリラックスする時間を交互に持つということになります。
本書ではこのような時間管理術を「タイムシフト」と呼びます。大変な仕事に取り組んでいる場合は頻繁に休憩を取り、エネルギーが枯渇しないようにしましょう。適度にリラックスし、充電したあとの方が能率が上がることは科学的に立証されているのです。(以下のツイート参照)
練習中ではなく「頻繁な休憩」がスキルを上達させると判明https://t.co/OjLinSLmKA
— ナゾロジー@科学ニュースメディア (@NazologyInfo) June 16, 2021
スキルの上達には休憩も必要です。米NINDSの研究により、休憩中に脳は練習内容を20倍の速度で何度も再生していると判明。素早い上達を目指すなら適度な休憩が大事なんですね。 pic.twitter.com/E7MTax44bl
集中して物事に取り組んだり、なにか新しいスキルを学んだりするときには適度な休憩が必要です。
脳を「マインドフルネス」の状態にする
時には普段やっていることとは全く関係のないことに没頭する時間を作りましょう。例えば、アートや映画鑑賞がおすすめです。
余暇の時間にシングルタスクを実践したいなら、映画鑑賞がおすすめです。自宅ではなく、映画館での映画鑑賞には様々なメリットがあります。自宅にはあなたの「集中力を奪う邪魔者」がたくさんありますが、映画館では巨大なスクリーンに集中できるのです。
補足:シングルタスクは「継続する」ことで大きな効果を発揮する
これまでシングルタスクを実践するための具体的なアクションプランを述べてきましたが、これを理解するだけではダメです。シングルタスクを生活のあらゆる場面で実践することが重要になります。
シングルタスクをしようと心がけてくるとき、次のような雑念が作業に没頭している私たちを襲っていきます。
「TwitterやLINEがどうなっているんだろう?早くチェックしたい!!」
「ああ、あの人にメールの返信をするのを忘れていたわ、早く返信しなきゃ!」
万が一そのような雑念に襲いかかりそうなとき、紙やパソコンの付箋などメモできるものを用意して、雑念のもととなっていることを書き留め「あと〇〇分で片付ける」と宣言しましょう。
制限時間はできるだけ20分以内のほうがいいです。今やっている作業に没頭したらその作業をやる、というようにすればマルチタスクに陥ることなく作業に没頭できます。それだけではなく、締切効果の影響でより作業に没頭できるようになるのです。
作業に没頭している間、どうしても雑念が襲いかかってくる場合はメモを書き留めて制限時間を作ってその作業に取り組むということをやってみましょう。
そもそも、本記事を読んでいる人の中には「シングルタスクを継続できない...」と考える人がいるかもしれません。その際には「1日5分、読書や勉強など一つの作業に集中する」という時間を取りましょう。物事へ取り組むハードルを極端まで下げることで継続しやすくなります。
継続させて習慣化させる方法は以下の記事で詳細に書かれていますので、後で参考にしてみてください。
shotanukumizu-1000.hatenablog.com
まとめ
今回の記事では書籍『SINGLETASK 一点集中術』を要約・考察しました。
今回の記事を参考に、シングルタスクについての理解を深めたり実践したりしてもらえれば幸いです。より本書のことを知りたい人はイカのリンクにアクセスして実際に購入してください。
今回の記事はこれで終了です。
【参考図書】