【毎週日曜更新】本の要約・考察第26回~『嫌われる勇気』~
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おはようございます。Shotaです。
今日は日曜日なので、本の要約・考察記事を書いていきます。
今日取り上げる本は『嫌われる勇気』です。
今日の記事は、5ヶ月以上前に投稿した記事の更新版になっています。ぜひ確認してください。
▼過去の記事
shotanukumizu-1000.hatenablog.com
本書は「心理学の三大巨頭」の一人アルフレッド・アドラーの考えを、「青年」と「哲人」という二人の対話という物語形式を用いてまとめた一冊になります。アドラーが生み出した心理学は欧米で絶大な人気を誇っており、「どうすれば人は幸せに生きることができるのだろうか」という哲学的な問いに極めてシンプルかつ具体的な答えを提示します。
今回の記事では、特に管理人が重要だと感じたポイントを厳選して要約・解説していきます。全部を紹介することは困難なので、詳細を知りたい方は是非ご自身でご購入して読んでみてください。
それでは早速、本題に入りましょう。
新しい「ライフスタイル」に変える
人は常に、「変わらない」という決心がある
アドラー心理学では、その人の人生における思考や行動の傾向そのものを「ライフスタイル」と呼んでいます。私達の大半は、もともと備わっている気質や性格は自分の意志とは無関係に備わっていると思います。ところが、アドラー心理学ではライフスタイルは自分で選び取るものであると考えます。
言い換えれば、「不幸である」と考えるのもひねくれた性格も自分の手で選んだものであると同じ意味になります。しかも、このような選択には人間関係や家庭環境のような外的要因、人種や国籍も大いに関係しています。
もちろん、私たちは生まれた場所や時代、親を選ぶことはできません。しかも、それらはかなりの影響力を持っています。不満もありますし、他の人を見て「あんな境遇に生まれたかった」と思う気持ちも出てくるでしょう。
しかし、そこで終わってはいけません。問題は過去ではなく、現在の「ここ」にあります。この先どう行動するかは私たち自身の責任です。これまでどおりのライフスタイルを選び続けるのも、新しいライフスタイルを選び直すことも、全て私たちにかかっています。
私たち人間は常に自分のライフスタイルを選択しています。今すぐ変わりたい、現状をなんとかしたいと思っても変われずにいる人は結構います。それはどうしてでしょうか?それは、私たちが変わらない決心をしているからです。
もし「このままの私」であり続けるなら、目の前の出来事にどのように対処するべきか、そしてその結果どのようなことが起こるのか経験から推測できます。一方、新しいライフスタイルを選んでしまうと新しい自分に何が起こるのかわからないし、目の前の出来事にどのように対処すればいいのかもわかりません。つまり、人はいろいろと不満はあったとしても、「このままの私」でいることの方が楽であり、安心だからです。
本書では、アドラー心理学は新しいライフスタイルへ「変える」ための「勇気」にまつわる心理学であることを強調されています。
全ての悩みは対人関係
自分が嫌いな理由
私たちは、つい自分の短所ばかりが目について、なかなか自分を好きになれないことがよくあると思います。どうしてそのようなことが起こるでしょうか?本書では、それは私たちが他者から嫌われ、対人関係の中で傷つくことを過剰に恐れているからであると主張されています。そのような事態に巻き込まれるくらいなら、最初から誰とも関わりを持たないほうがマシだと考えることもあります。言い換えれば、「他者との関係の中で傷つかないこと」が目的になっているのです。
そのような目的を叶えるのは非常に簡単で、自分の短所を見つけて自分を嫌いになり、対人関係に踏み出さない人間になってしまえばいいのです。しかし、対人関係の中で傷つかないなど、基本的にはありえません。
人生は他者との競争ではない
様々な競争や比較にさらされる現代社会ですが、アドラー心理学では「誰とも競争することなく、ただ前を向いて歩いていけば良い」ということが強調されています。言い換えれば、他者と自分を比較する必要がないということになります。
アドラーは人生は誰かと競争するためにあるのではなく、今の自分よりも前に進もうとするためにあるものであることを強調しています。
逆に言えば、対人関係の中に「競争」があると、人は対人関係からの悩みから脱却することができず不幸から逃れられません。これをわかりやすく言えば、TwitterなどのSNSで赤の他人のツイートに「あの人と違って自分はだめだ...」と落胆することは、執着にとらわれてしまい不幸から解消されなくなってしまうことになります。
競争が激しくなると、いつの間にか、他者全般のことを、ひいては世界のことを「敵」だとみなすようになってしまうのです。競争の恐ろしさはここにあります。
他人の課題を切り捨てる
「あの人」の期待を満たすために生きてはいけない
アドラー心理学は、他者から承認される必要はない、つまり「承認欲求」を否定します。
他者から認められることは、たしかに嬉しいかもしれません。他者から承認されることで、私たちは「自分は価値のある人間だ」と実感できるからです。しかし、アドラー心理学では承認欲求は必要ないと断言しています。
私たちはどうして他者からの承認を必要とするのでしょうか?それは、賞罰教育の影響を受けているからなのです。アドラーは、適切な行動をとったら、褒めてもらえる一方で、不適切な行動をとったら罰せられるという賞罰教育を厳しく批判しました。賞罰教育の先に生まれるのは、「褒めてくれる人がいなければ、適切な行動をしない」「罰する人がいなければ、不適切な行動を取る」という価値観です。
私たちは、「他者の期待を満たすためだけに生きているわけではない」ことを認識しておく必要があります。そもそも、他者の期待を満たす必要はないのです。
他者からの承認を求め、他者からの評価ばかりを気にしていると、最終的には他者の人生を生きていることに繋がります。それと同様に、他者も「私たちの期待を満たすために生きている」わけではありません。
まとめ
今日は『嫌われる勇気』を解説しました。(2回目)
今日の記事のポイントは次の通りです。
- 自分の価値観を新しい価値観にアップデートさせる
- 全ての悩みは対人関係にある
- 人生は他人と競争するためにあるのではない
- あの人の期待を満たすためだけに生きる必要はない
本ブログでは、普段はプログラミングに関する技術的な内容を発信していますが、毎週日曜日は購入した書籍の要約・考察を発信しています。
今日の記事はこれで終了です。
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