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【毎週日曜更新】本の要約・考察第24回~『イシューからはじめよ』~


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おはようございます。Shotaです。

今日は日曜日なので、本の要約・考察記事を書いていきます。

今日取り上げる本は『イシューからはじめよ』です。



イシュードリブン

問題は解くものだと考えがちですが、まず最初にやるべきことは本当に解くべき問題、すなわち「イシュー」を見極めることです。「最終的に何がやりたいかを明確にせよ」と言われたら、きちんと物事を考える人であれば不快になるでしょう。したがって、「やっているうちに見えてくる」というように成り行き任せが横行しますが、これこそが無駄が多く生産性の低いアプローチです。

「これは何に対して答えを出すためのものか」というイシューを明確にしてから問題に取り組まないと、あとから問題が必ず発生して目的意識がブレ多くのムダが出てしまいます。

では、イシューを見極めるためにはどうすればいいのでしょうか?そのためには、「実際にインパクトがあるか」「説得力ある形で検証できるか」「想定する受け手にそれを伝えられるか」というような判断が必要です。ここには、ある程度の経験と「見立てる力」が必要になります。

このような場合は何人かの頼りになる相談相手に確認するのが手っ取り早いでしょう。実際、このような「知恵袋的な人」を発見できるかどうかが、突き抜けた人塗装ではない人との差を生み出していくのです。


よいイシューの3つの条件

ここからは、「よいイシュー」の3つの条件について考えていきましょう。


本質的な選択肢である

まず最初の条件は、「本質的な選択肢である」ことです。

「右か左なのか」というその結論によって大きく意味合いが変わるものではなければイシューとは言えません。言い換えれば、「本質的な選択肢=カギとなる質問」なのです。選択肢があり、どちらになるのかによってそこから先のビジネスに大きな影響が出るのがよいイシューになります。

例えば、ある食品メーカーにおいて「ある商品Xが売れない」理由を検討する場合を考えてみましょう。多くの場合、最初に出てくる大きなイシューの一つは

  • 「Xに商品力がない」
  • 「Xに商品力そのものはあるが、販売方法が良くない」


これらのうちどれかを考えると思います。

「それはそうだ」と思われるでしょうが、現実にはこのようなレベルでのイシューの見極めができていないケースはたくさんあります。「商品はいいのに売り方が悪い」「店舗開拓に問題があるに決まっている」などのように、思い込みで突き進んでしまうのです。

そうならないためにも、まずは大きな分岐点を見極めることが大事です。

イシュー、つまり答えを出すべき問題は、同じ事業やテーマを扱っていても、会社ごとに、部署ごとに、日ごとに、ミーティングごとに、あるいは経験している相手ごとに異なります。イシューは「今、答えを出さなければならないこと」なので、実際に担当している部門や立場によっても大きく変わっていきます。ある人にとってイシューであっても、他の人にとってはイシューではないということはザラにあります。

「これがイシューだ」と考えたら、そのイシューの主語を確認してみましょう。「誰にとって」という主語を変えても成立するものは、真鯛シュートしての検討が甘い可能性が高いです。


深い仮説がある

次の条件は、「深い仮説がある」ことです。仮説をよいものにするためには、次のような定石が必要です。

  • 常識を否定する
  • 「新しい構造」で説明する―共通性、関係性、グルーピング、ルールの発見


それぞれ順番に解説します。


常識を否定する

仮説を深める簡単な方法は、「一般的に信じられていることを並べて、その中で否定できる、あるいは異なる視点で説明できるものがないかを考える」ことです。

古典的な例で例えると、日常的に生活している限り「太陽が地球の周りを動いている」ようにしか見えませんが、「実は地球が太陽の周りを動いている」ことを証明した地動説がまさにこれです。

一般的に信じられている信念や前提を突き崩せないかを常に考えておきましょう。


「新しい構造」で説明する

深い仮説を持つための2つ目の定石は「新しい構造」で世の中を説明できないかを考えることです。

人が何かを理解するというのは、「2つ以上の異なる既知の情報に新しいつながりを発見する」ことを意味します。このような構造的な理解には4つのパターンがあります。

  • 共通性の発見

    2つ以上のものに、何らかの共通的なことが見えると、人は急に何かを理解したと感じるようになる。

  • 関係性の発見

    完全な全体像を理解できなくても、複数の現象間に関係性があれば人は何かを理解したと感じるようになる。

  • グルーピングの発見

    検討する対象を何らかのグループに分ける方法を発見することで、これまで一つに見えていたもの、あるいは無数に見えていたものが判断できる数の塊として見ることができるようになり、洞察力が高まる。

  • ルールの発見

    2つ以上のものに何らかの普遍的な仕組みや数量的関係性があることがわかると、人は理解したと感じるようになる。


答えを出せる

よいイシューの3つ目の条件は、「本当に既存の手法、あるいは現在着手しうるアプローチで答えを導出できるかどうか」を見極めることです。

「本質的な選択肢」であり、十分に「深い仮説がある」問題でありながら、よいイシューではないというものが存在します。それは、明確に答えを出せない問題です。

一見ごくありふれた問題に見えても、それを解く方法が未だにはっきりしない、あるいは着手しないほうがいい問題がたくさんあるというのは重大な事実です。気軽に取り組んだのはいいものの、検証方法が崩壊した場合は時間の面でも手間の面でも取り返しのつかないダメージを負いかねません。




イシューの見極めにおける理想は、誰もが「答えを出すべきだ」と感じていても「手のつけようがない」と思っている問題に対し、「自分の手法ならば答えを出せる」と感じる「死角的なイシュー」を発見することです。


イシュー特定のための情報収集

前章では「よいイシューとはなにか」と「強引にでも仮説をたてることの重要性」がわかったところで、次にそれを発見するための材料をどのように仕入れるかを考えていきます。

手がかりを得るためには、取り組んでいるテーマや対象について「考えるための材料をざっくりと得る」ことが必要です。言い換えれば、時間をあまりかけすぎずに大枠の情報を収集して対象の実態についての肌感覚を持つことを意味します。

大学の研究などでは、この作業に数ヶ月を費やすケースもあるでしょうが、ビジネスに於いてはこれは非効率であると言わざるを得ません。イシューを明確化し、肝となる検証をスピーディーに進めて、仮説を刷新してこそ本当に生産性の高い毎日が実現します。


一次情報に触れる

まず最初のコツは、「一次情報」にふれることです。一次情報とは、誰のフィルターも通っていない情報のことです。プログラミングの分野においては、ある言語の公式ドキュメントが挙げられます。

あまりにも基本的なことに聞こえるかもしれませんが、これらを呼吸するように実践できている人は少ないです。

いかに優れた情報や表現とは言っても、二次的な情報は何らかの多面的かつ複合的な対象の一つの面を引き出したものに過ぎません。そこからこぼれ落ちた現実は、それを直接見ない人には認知できません。

したがって、数日間は集中的に一次情報に触れることをおすすめします。

一次情報に触れた場合は、現場にいる人の体験から生まれた知恵を聞き出します。読み物をどれだけ読んでもわからない勘所を聞き、さらにその人がどのような問題意識を持っているかを聞きます。ここで、お金では変えない知恵や知識を一気に吸収しておきたいです。


基本情報をスキャンする

情報収集の第2のコツは、一次情報から得た感覚を持ちつつ、世の中の常識や基本的なことをある程度の塊としてダブりも漏れもなく、そして素早くスキャンすることです。ここでは、自分の意見だけで「決め打ち」をしないことが重要です。

書籍ではノウハウ的なものは避け、基本的・原則的なものを見ます。歴史的な視点を得るためには、やや古めのものと新しいものを同時に見るというのがおすすめです。


集めすぎない・知りすぎない

情報収集の第3のコツは、意図的にざっくりやる、つまり「やりすぎない」ということです。速読術やライフハック的な信念とは大きく異なりますが、情報収集の効率は必ずどこかで頭打ちになり、情報が溢れすぎると知恵が出なくなるものです。これを「集めすぎ」「知りすぎ」と呼びます。

人間がある領域について感心を持ち、新しい情報を最初に得ていく際に、始めはいろいろな引っ掛かりがあり、疑念を持つものです。それを人に訪ねたり、解明したりしていくたびに自分なりの理解が深まり、新しい視点や知恵が湧いていきます。

これが、「知りすぎたバカ」にならない範囲で情報収集を止めるこそが、イシュー出しに向けた情報集めの極意です。


まとめ

今日の記事では40万部の売上を記録したベストセラー『イシューからはじめよ』について簡単に解説しました。

今日の記事はこれで終了です。

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